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ごまの学名は「Sesamum Indicum Linnaeus(セサムム・インディクム・リンネウス)」と言います。これは、スウェーデンの有名な植物学者カール・フォン・リンネが1784年に命名したもので、学名の意味は「リンネの(名づけた)インドのごま」という意味になります。
なぜ「インドのごま」が学名になっているかと言えば、リンネがごまの学名を付けた当時、インドがごまの産地として有名であったことから、「ごまはインド発祥」と考えたためです。しかし、現在では、ごまの発祥の地は、アフリカ大陸のサバンナ生まれとするのが一般的です。
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日本で見かけるごまは、黒ごま、白ごまが主流ですが、トルコ産の金(黄)ごまもあります。その他、茶ごま、緑ごま、紫ごま、オレンジごまなど、カラフルな色のごまも存在しているそうです。
実際、世界各地の特産ごまは、元々色で特徴づけられており、銘柄を色で表しています。中国の湛江黒、タイの黒、トルコやギリシャの黄(金)、メキシコの淡黄、スーダン、メキシコ、グァテマラなどの白、コロンビアの茶などが特に有名です。日本では鹿児島県喜界島の白ごまが有名です。ちなみに欧米では白ごまが主流となっているそうです。
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洗って乾燥させただけの生のごまを「洗いごま」、焙煎してあるごまを「いりごま」、焙煎して擂(す)りつぶしたごまを「擂(す)りごま」、さらにペースト状にごまを練ったものを「練(ね)りごま」と呼びます。
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ごまの歴史は大変古く、紀元前4000年〜3000年ごろに建設されたエジプトのビラミッドやその他の墳墓からは、ごまおよびその加工ペーストの出土、ごま油脂で加工されたミイラなどが発見されています。また、紀元前2,000〜1,600年頃のエジプトの遺跡からは、象形文字でパピルス紙に書かれたごまの薬効も発見されています。
こうした考古学的な発見から、古代オリエントの国々では、紀元3,000年頃にはすでに大々的に栽培され、高栄養の食用としてはもちろん、香料・医薬用・灯用として、すでに高い評価を受けていたと考えられています。
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中国において、ごまは「食べる薬」として、重宝されてきました。中国の最も古い医薬書『神農本草経』には、ごまの効能についてすでに記されており、南朝時代(420〜589年)に発達した薬物学知識を集めて陶弘景が書いた『本草経集註』にも、ごまの栄養と医学的効果のすぐれていることが述べられています。また、李時珍の『本草綱目』など、ごまの卓効、秘薬について記載している本が多数存在しているそうです。
こうしたごまの「食べる薬」としての有効性から、多量のごまやごま油が用いられるようになり、中華料理の基本を作ったとさえ言われています。
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ごまのカロリーは100g中約600kcalで、極めて高く感じられます。これは、ごまの約50%が脂質であることに起因します。
通常、食物のカロリーは、(脂質×9)+(炭水化物×4)+(タンパク質×4)という計算式によって算出されますので、脂質が50%もあるごまは、どうしてもカロリーの値が高く計算されてしまいます。
ですが、肉や乳製品の動物性脂肪は、悪玉コレステロールの原因となりますが、ごまの脂質はリノール酸などの不飽和脂肪酸で、“コレステロール値を下げる働き”があるのです。その上、ごまはカルシウム(牛乳の約12倍。ごま大さじ約2杯で、牛乳1本分のカルシウムが摂れます)、亜鉛、食物繊維、鉄分、油溶性ビタミンなど、ミネラルの宝庫なのです。また、ゴマリグナン(セサミン、セサミノール、セサモールなど)と呼ばれる成分が含まれており、ゴマリグナンには優れた抗酸化作用、コレステロール抑制、動脈硬化・高血圧予防、がん細胞の成長抑制、肝機能増強、アルコール分解促進、老化抑制があり、美容効果も期待できます。
従って、毎日ごまを食べることは大いに奨励され、一日大さじ2杯(約10g)以上のごまを食べることが勧められています。
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